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2014-01

「ライフサイエンス 新着論文レビュー」を支える技術

DBCLSが公開している「ライフサイエンス 新着論文レビュー」では、著者の投稿した原稿をそのまま掲載するのではなく、生命科学分野を専門とする編集者(@ksukeiida 編集長)が一文一文を吟味し、大幅な修正を加えています。この編集作業により、専門が異なる読者にもわかりやすく読める文章になっています。

mesoも 統合遺伝子検索GGRNAのレビュー を公開したときに編集長のお世話になったのですが、修正前の原稿と比べ修正後のものはかなり読みやすくなっていて驚きました。あとで編集長に質問してみると、細かい修正箇所にもそれぞれ明確な理由があり、それらを重ねることで文章が読みやすくなっていることがわかりました。

そこでこの記事では、新着論文レビューにおける編集作業のビフォーアフターを、mesoの書いたレビューを例に紹介しようと思います。編集前後の差分をテキスト比較ツール difff《デュフフ》でハイライトし、その右側に編集長の説明(をmesoがまとめたもの)を記載しました。

【ビフォーアフター】テキスト比較ツールdifff《デュフフ》による編集前後の差分

テキスト比較ツール difff《デュフフ》は、以前の記事 でも紹介したように2つのテキストの差分(diff)を表示することができるmeso作のツールです。

GGRNAdiffFA

詳しくは上のリンク先にも書きましたが、科学分野の文章ならではのポイントをまとめてみました。

  • 専門用語の統一 同じものを示すために複数の言葉を理由なく使ってしまうと(とくに専門外の人は)混乱する。使う用語を選び統一することで、その分野に馴染みのない読者にも理解しやすい文章になる。
  • 語順の吟味 形容する単語はできるだけ離さず直前に置く。主語は前に。時間や時期を示す語も前に。文の構造、あるいは、単語と単語の関係が明確になるように、語順をいろいろと入れ替えて検討する。
  • 意味の限定 あいまいな言葉や助詞は、意味を限定する言葉に置き換えることによって読みやすくなる。また、意味やニュアンスを補う言葉を挿入することにより解釈が限定されて読みやすくなる場合もある。

拙文のビフォーアフターを公開するのは正直なところ恥ずかしいのですが、科学分野の文章を書く方に少しでも役立てば幸いです。

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